モバイル&寝床ノベルゲー端末としてのF-07C

自分は昔から、移動中や寝床でちょっとノベルゲー読む用の端末が欲しいなあということで、 LOOX U(2世代目のタブレット型に変形できるやつ)やスレートPCを買って試してみたりしていたのですが、結局テスト的に使ってみるだけで、ほとんど実用に至ことはありませんでした。理由は主に3つ。

  1. (主にLOOX U時代の話)メイン環境とゲームのファイルやセーブデータをやり取りするのが面倒。
  2. (主にスレートPC時代の話)外出時、プラスアルファで持っていくには流石に重い。
  3. 常時使うわけではないものにしては場所を取るので部屋のどこかに放置しがち。その結果として、いざ使いたいときにバッテリが切れており結局持ち出すのを諦めたりしがち。

1については、最近はプレイ中のゲームのファイルはDropboxに置いて同期して、どこでもプレイできるようにしているので解決しました。あとはウルトラ小さくてノベルゲーが動きそうな端末があれば……と思っているところに発表されたのが、「Windows 7ケータイ」F-07C。ケータイサイズで(というかケータイだし)画面解像度1,024×600(800×600サイズのノベルゲーがプレイできる)、クレードルつきで充電まわりも安心。これはなかなか良さそう。

バッテリが割と弱めですが、まあ、公称2時間とのことで実質1.5時間もつなら、(会社でも充電するという前提で)通勤時間用としては許容範囲かなと。というわけで買ってみました。ドコモオンラインショップで買おうとしたら名目上の前使用端末であるHT-03Aの縛りが残っていて買えなかったので、9月になってやっと買えましたが。諸事情(iPhone用にSIMを切り抜いてしまった)によりお店での機種変更はできなくて……。

さておき、使ってみての感想や、バッテリの保ち時間について検証した結果などを徒然なるままに。例によってぐだぐだ自分用メモを書き連ねているので、すっ飛ばして最後のまとめだけ読めばよいと思います。

動作パフォーマンス

Windows 7搭載で1.2GHzのAtom CPUを50%動作、メモリ1GB……となればだいたい予想はつきますが、流石にというか当然というか、もっさもさです。一度だけ興味本位でプレインストールされているMicrosoft Officeを起動してみましたが、後悔しました。

ただ、エクスプローラでのファイル操作程度なら、何とか許容範囲です。そして肝心のノベルゲームプレイ時のパフォーマンスですが、吉里吉里製の立ち絵ありのノベルゲーで、立ち絵の切り替わり時や場面転換時などに、ちょっとBGMが詰まることがありました。が、読むのにそれほど支障はないレベル。文字送りは、いくつかのゲームで試して、表示速度が標準だと表示が引っかかることがありましたが、表示速度を速めに設定すると、むしろスムーズに表示されるようになりました。余計なウェイトを入れないようになるかなかな?

パフォーマンスとは直接関係ありませんが、NScripter製のノベルゲームを2つ試して、2つともフルスクリーン化が効きませんでした。これはちょっと困った。吉里吉里製なら問題ないのですが……。

ハードウェア的な使い勝手(持ち心地など)

基本的にスライドキーボードを引き出して両手持ち。感覚的にはPSPっぽいですね。画面とボタンの位置関係は違いますが……。どちらかと言えばPSP goまんまですが、これだと通じる人は少ないと思いますので(苦笑)。重量的にもPSP-3000(約189g)よりちょっと重い(約218g)くらい。

寝っ転がっているときなどは片手持ちもいけます。コンパクトなサイズに詰め込まれている分、ずっしりとした手応えはありますが、両手持ちならどうってことないし、片手持ちでも不安定にはならないレベル。

操作系は、キーボードの左上にマウス左クリック相当のボタンがあり、右側にトラックボール。トラックボールの押し込みでもクリックができるほか、長押しで右クリックが可能です。左クリックボタン連打に疲れたら(1時間くらいクリックしてたら流石にちょっと親指が痛くなりました)、トラックボール側でクリックすることができます。また、ゲームによってはスペースキーやEnterキーでも文字送りできるので、同じボタンを押すのに疲れたときなどに使えます。

重心がキーボード側にあるのでホールド感もよく、クリックボタンやトラックボールの位置も適切なので、ノベルゲーム読みも快適でした。あと、スレートPCなども使った上での感想ですが、やはりクリックは画面をタッチするより、ボタンのほうがいいかなと。物理的フィードバックがあるとわかりやすいですし、画面が隠れないように気を遣わないで済みますし。

動作音と熱

クレードルに挿したままWindowsモードに切り替えたら、轟音レベルのファン音がしてびっくりしました。これでゲームは無理!と泣きそうになりましたが、よく確認したところ、ファンはクレードル側についているものでした。本体を取り外したら無音。よく考えたら携帯電話に普通ファンはないよな……。

ただ逆に、クレードルに挿している状態でWindowsモードに切り替えると、問答無用でファンが回るようです。クレードルに挿している間は、サブモニターやデジタルフォトフレーム的に使えないかな?と思っていたのですが、これについては断念。

また逆に本体にファンがないとなると、クレードルから外して使っているときの熱が気になるところですが、1時間くらい使っても、背面がほんのり温かい程度で持つのに支障はありませんでした。今使っているAndroidスマートフォンの方がよっぽど熱くなります(笑)。(まああれはポケットに入れっぱなしだからってのもあるでしょうけど。)

スピーカーがモノラルだった!(割と誤算というか単なる調査不足)

自分がノベルゲー用のミニPCを選定するときに、割とこだわっていたのが「スピーカーがステレオかどうか?」だったのですが……えーと、今回はすっかり忘れてました。スペックにモノラルと明記されてなかったので思いっきり見落とし。まあ、普通ケータイはモノラルだよなあ……って、最近はそうでもないのかしら。

外では当然イヤホンつけるので別にいいのですが、寝床ノベルゲー端末として使うときは悩み所。寝落ち上等で手軽にプレイできるのがいいのであまりイヤホンとかつけたくないのですが。あと、イヤホンつけるのに専用アダプタが必要なのも盲点でした。

そのほかサウンドまわりでは、ハードウェア的にボリューム調整するボタン等がないので、とくにフルスクリーンでゲームをしていると音量調整がちょっと面倒。一応、電源ボタンを押すと全ウィンドウが最小化され、フルスクリーンのゲーム中でのデスクトップに戻るので、そこから音量調整してからまたウィンドウ復帰、と対処しています。

ノベルゲー読み時のバッテリの保ちをテスト

実際にノベルゲー(吉里吉里製、立ち絵あり、BGMあり、ボイスなし、エフェクトあんまりなし)をプレイしながらどれくらいバッテリが保つかテスト。電源プランはデフォルトの「省電力」、Wi-Fi OFF、3GはそもそもSIMが入っていません。

ネットの記事で、Wi-Fi ONにしてたら40分で強制終了した、なんてのもありましたが、自分はノベルゲー専用だから通信なんて一切しないしねー、と思いつつプレイしていたら……40分でケータイモードに強制切り替え。あ、れ? 通信のON/OFFはあんまり関係ないみたい……。

しかし、それなりに負荷のかかる処理をしているとはいえ、公称の2時間とさすがに差がありすぎないか?とマニュアル等を調べていたら、どうやら電池が残り1目盛切ると強制的にケータイモードに切り替わるようで。電話ができなくなるとまずいので、という配慮だと思いますが、こちとら電話として使う気はさらさらなく。

このあたりをどう制御しているのかマニュアルには記載がなかったのですが、電源オプションのバッテリ低下、バッテリ切れレベルあたりかなと当たりをつけて、試しにバッテリ低下を30%から10%に、バッテリ切れを10%から5%に変えてみたら、1時間40分保ちました。おお、これだけ保てば許容範囲かなあ。寝床ノベルゲーも長くても1時間半程度だろうし(それ以上本格的に読むなら素直に起きてデスクトップで読む)、会社でも充電するなら通勤時間(1時間程度)も余裕でカバーできるし。

ただ、どうやら本機のバッテリ状態は1%単位ではなく30%、10%と大雑把に計測されるらしく、10%の次は0%(電池切れ)っぽいです。結果として、5%で休止状態に入る設定にしてても、休止状態に入ることなく強制電源断になってしまいました(強制的にケータイモードになって、すぐ充電しろと警告が出る)。かといって、10%で休止状態に入るようにするとデフォルトと同じなわけで。残り10%からが長いみたいですね。

まあノベルゲーなので、読んでる途中で強制電源断になっても、そこまでスキップすればいいかなと。ゲームによっては既読状態が随時ファイルに保存されるので既読スキップで一気に行けますが、そうでない場合もCtrlキー押しっぱなしなどで。あとは、そこそこまめにセーブするくらいかな。

そのほかバッテリ関係だと、バッテリが保たないのはわかりきっていたので予備バッテリを購入したのですが、これが充電してから20日間放置しても、ほぼ100%のままだったのはポイント高いです。あとはこれで予備バッテリチャージャーがあればなあと。クレードルで予備バッテリの充電もできればベストだったのですが。

なお、休止状態でバッテリ入れ替えればそのまま休止から復帰できるかな?と試してみたのですが、強制電源断扱いで再起動になってしまいました。ちょっと残念。

おまけ:iアプリを使ってみたかった

基本的にはWindowsミニPCとして購入したF-07Cですが、一応トラディショナルケータイ(略称トラケー)の機能もついていまして、それならスマートフォンに移行して以来プレイできなくなってしまったiアプリゲームのプレイにも使えるかな?という期待が少しありました。

具体的にプレイしたかったのは、シルバーセカンドモバイルと空の軌跡オンラインMobileですが、どちらも対応機種外ということで登録できず。他にもいくつか試してみましたが軒並みだめでした……。ううむ、マイナー端末の悲哀。というかブラックリスト(ちゃんと動作しない端末を除外)じゃなくてホワイトリスト(動作確認できた端末のみ登録できる)方式なんですね。全部が全部そうかは確認できていませんが、いずれにせよこれだけ端末出てる中でそれも大変だなと。Javaベースなはずだし、入れちゃえばおおむね動くんじゃないかと思うのですが、安全寄りに振ってるんでしょうねえ。

まとめ:んで結局ノベルゲー端末としてどうなのさ

  • 携帯ゲーム機感覚で、普段の荷物にプラスアルファで持って行けるサイズと軽さ
  • ノベルゲー読み(マウス操作)に適した持ち心地と操作系の配置
  • 動作音は基本的に無音、それほど熱くもならない
  • バッテリは強制電源断まで使い切るつもりなら1時間40分もつ
  • NScripter製ノベルゲーがなぜかフルスクリーン化できない
  • スピーカーがモノラル

という感じで、スピーカーがモノラルなのが非常に残念ですが、それ以外はこれまでで一番理想に近いかもしれません。うん、これなら本当にモバイルでも行けるかなと。NScripter製ゲームについては、割と文字の大きい作品が多い傾向にあると思うので、ウィンドウモードでもまあ何とかなると思います。

まあパフォーマンス的に、最近の商業ゲーなど演出が派手なものは厳しいと思いますが(試してもいないけど)、多くのフリー・同人ノベルなら問題なさそう。もともと、モバイル環境とかで読むのは体験版とか軽めの短~中編あたりで、長編系はデスクトップで腰を落ち着けて読むタイプなので、積みゲーのなかから軽めものもをピックアップしてうまく振り分けようかなと。そもそも、そうでもしないと積みゲーが溜まる一方ということから、モバイル・寝床ノベルゲー端末への探求は始まっていますので。

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