C83戦果感想メモ5 アドベンチャーノベル「fault -milestone one-」体験版 Version 0.1(j)

fault 平和の終わりは旅の始まり

マナによる独自の技術体系(マナクラフト)をもつファンタジー世界を舞台としたノベルゲームの1章(milestone one)の体験版。

fault -milestone one- 体験版 Version 0.1(j) タイトル画面
タイトル画面。旅っぽい!

画面はHDワイド(1,280×720)。まずは青空と雲の背景が鮮やかなタイトル画面に目を奪われたり。また本作では一人称記述の場合の主観人物も立ち絵が表示されるので、画面上にだいたい3人、多いと4人とか出てくるのですが、ワイドだと窮屈な感じがしないのがいいですね。

物語は、謎の襲撃者から逃れるためマナクラフトで瞬間移動したものの、想定外のトラブルで“世界の裏側”に辿り着いてしまった姫「セルフィーネ」と、そのガーディアンであるマナクラフターの少女「リトナ」が故郷を目指して旅をするというもの。体験版では旅立ちの準備といったところですが、わたくし的にはマナクラフトを中心とした独自の世界観が構築されているのが、設定マニアの琴線に触れる内容でした。

地水火風のマナを使ってさまざまな現象を起こすマナクラフトは、魔法のようだけど確立された技術。先述の瞬間移動についても、世界中を網目のように覆うマナストリーム(地脈みたいなもの?)に、マナ粒子レベルに分解した人間を乗せて……みたいな理屈がつけられていて、その説明がいちいちリアリティがあってわくわくします。結構、独自用語とかがポンポン出てくるのですがすぐ解説が入るし、基本的に英語がベース、とくに微妙にIT関係で馴染み深い単語が出てきたりするので意味を想像するのも楽しかったり。ほかにも、黒はマナを吸着する性質があるのでバトルクラフターはよく着用する、とかの異世界豆知識も雰囲気作りに一役買っています。

そんな姫様とリトナが辿り着いたのは、しかし「アウターポール」と呼ばれるマナの薄い土地で、マナクラフトの代わりに「科学」が発達。体験版の範囲では、その文化ギャップが話の中心でした。とはいえ、リトナが「硝子の剣」を生成するちょっとしたアクションシーンや、姫様が王族としての資質に悩む場面もあったりで、今後の展開も楽しみ。「アドベンチャーノベル」の名に違わず、冒険に満ちあふれた旅になるのかな。別視点で襲撃側のやり取りも挿入されるのですが、こっちもこっちで事情がありそう&女の子ばっかりなんで、いろんな意味で期待です。

姫様かわいいよ姫様
姫様かわいいよ姫様

キャラクター的にはのほほんとした姫様と、生真面目なリトナのやり取りがコミカルでありつつも、要所要所で互いが互いを慮っているのが伝わってきて微笑ましく。リトナは姫様のガーディアンですが教育係的な一面もあって、意外と俗っぽいことを知っている姫様に思いっきり焦るなんてシーンも。正体不明だけど良い人らしい案内役の「ルーン」も加わって、少女三人姦しい感じでした。

グラフィック面では王道少女漫画っぽいふわっとした絵柄に透明感のある塗りが素敵。姫様のニコニコ顔で「ほえー」って感じの表情がすっごく可愛いのですが、「アラレちゃんっぽい」って言ったら世代がバレますね……(苦笑)。

なお、本体験版はバージョン0.1で大半の背景や演出などが含まれていないとのこと。確かに後半に行くにつれて背景真っ黒のシーンが多かったです。演出面も含め、どうリファインされるのか期待。あと、この体験版では冒頭の襲撃シーンがゲーム本編ではなく1枚の画像(背景イラストの上に文字であらすじ)で説明されていたのだけど、これも完成版では本編に組み込まれるのかな?

あと、ゲーム開始前の注意書きが日本語と英語の併記だったり、バージョン表記が0.1(j)だったりで、もしかして英語版展開とかあるのかしら?と思ったりしました。起動時に表示される「この物語は現時点ではフィクションです。」という思わせぶりな注記も含め、単に雰囲気作りかもしれないけどそれはそれで格好いい。紋章が浮き出てくるメニューとか全体的なUIデザインも作り込まれていて、総じてゲームとしての世界観のパッケージングがいけてるなあという印象です。

追記:完成版の感想書きました。

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