辞書ネタ3題

世界大百科事典第二版(平凡社)

前々から買おうかどうか迷ってたのですが、さすがにプロ版で5万いくらする物ですから、どうしようか迷っていました。その時社内で購読しているASCIIの最新号(12月号)が来てビックリ! 何と付録CD-ROM二枚組みで体験版フル収録じゃないですか。やるじゃんASCII!
というわけで、早速使ってみました。で、感想としては……
ううん、買わなくてよかった(笑)。

流石に内容は超一流なのですが、インターフェースが……。まず、本文サイズが固定というのが最悪。MDIというのも辞典という使い方にはあわないと感じました。ブックマークも、別画面が出るんじゃなくてWebブラウザみたいにメニューからサクッと登録/ジャンプできるべきでしょう。他にもいろいろあって、どうしてもこの操作性には馴染めません。DDwinの軽快な操作性に慣れてしまったからでしょうが……。

というわけで、残念ながら(ホント、内容は素晴らしいんですけどねぇ)第二版は購入を見送りました。でもマルチメディア系の辞典も一つは持っときたいんですよねぇ。エンカルタ98(インターフェースならMSが一番だと思うんだけど、内容が心配)にするか、小学館の奴(すごく高いんだよなぁ)にするか……。何かオススメありますか?

広辞苑第五版(岩波書店)

岩波書店から広辞苑の第五版が発売され、CD-ROM(EPWING)版も同時に発売されました。これは早速買わねば! と思い、その前にNIFTYの電子ブック会議室で感想でも読んでみようかな、とチェックしたところ、「EPWING 第5版(V5)仕様で圧縮されているため、DDwinでは読むことはできない」という報告が複数なされていました。

では、DDwinが対応するのを待てばいいかというと、そう単純な話でもなくて、EPWINGの仕様は公開されていないため、オンラインソフトの作者さんが何とか解析している、という状態です(DOS/V POWER REPORT 98年7月号に載っているインタビューでも、DDwin作者の草本さんは「規約(仕様)が公開されていないので解析に苦労した。見えない敵と戦っているという気がしたことがある」とおっしゃっています)。で、肝心の圧縮ですが、以前草本さんはNIFTYの会議室で、「圧縮されたものは(仕様が公開されない限り)残念ながら検索できるようになる見込みはない」と発言されていました。
というわけで、当分は(あるいは一生?)第四版のお世話になりそうです。しくしく……。

EPWINGコンソーシアムも、いいかげん一般に規約を公開してくれればいいのに。ここまでEPWINGが普及したのはDDwinのおかげだってのが全然分かってないんだから。
まあ、公開できない理由もある程度予想がつくんですけどね。EPWINGコンソーシアムの入会案内を見るかぎりでは、EPWINGの規約書を見ることができ、EPWING対応のCD-ROMや検索ソフトを作成できるのは、入会金10万円、年会費30万円を払ってA会員になった場合のみだそうです(ただし、EPWINGの第1版に関しては、1996年7月にJIS規格X4081「日本語電子出版検索データ構造」として登録されています-未確認情報ですが)。つまり(EPWING V2以降の)EPWINGタイトル・検索ソフトを作るのは会員企業だけの特権ってぇことで、そうなると規約を一般公開して誰でもソフトが作れちゃったらコンソーシアム側としてはまずいわけで。
そういう意味ではこれは圧縮というより「プロテクト」と言ってしまってもいいのではないでしょうか。これじゃ何のための共通規格なのか分かんないよ……。

ジーニアス英和・和英辞典(大修館書店)

と、ネガティブな話題が続いてしまいましたが、3つめは良いニュースです。現在電子ブック版「ジーニアス英和辞典」をリリースしている大修館書店から、新たにCD-ROM(EPWING)版、電子ブック版の「ジーニアス英和・和英辞典」が発売になりました。
今までの電子ブック版でも簡易的に和英機能はあったのですが、あくまで"簡易"だったのと、電子ブックのため漢字で検索できないのが痛かったんですよね。EPWING版の登場で、この辺の問題も解決されました。

ただし、NIFTYの電子ブック会議室での大修館書店の方の発言(nifty:FWINMM/MES/16/1473)によると、DDwin 2.08(おそらく09も)では検索できないとのこと。「作者の方に相談中」とあり、またMac用のいくつかの検索ソフトでは動作しているとのことなので、EPWING V4以降の圧縮(プロテクト?)はかかっておらず、単純に相性の問題のようですが。僕はとりあえずこの問題が解決したらすぐに買うつもりです。ViewIngなんて使えんっちゅーの!(おい)
くわしい情報は大修館のホームページでどうぞ。ここから注文もできるようです。
http://www.taishukan.co.jp/

Copyright©1998-2005 Yujiro Nakamura All rights reserved.
本サイトに関するご連絡の方法はreadmeをご参照ください。

本Webページの無断引用、本Webページへの無断リンクを歓迎します(笑)。