文庫本サイズでどこでも持ち歩けるPocket PCは、読書端末としてもぴったりです。読みやすさという点では実際の本にはまだ及ばないところもありますが、外部ストレージなどを利用すれば文庫本数十冊分のデータ(ちゃんと計算したわけではありませんが、たぶんそのくらい)を楽に持ち運べるという利点があります。そこで本記事では、Pocket PCで読書する際に利用可能なソフトの紹介などを行ないます。
以下のサイトなどから、文学作品ほか各種のテキストデータが入手可能です。
著作者の死後50年以上を経て著作権が消滅した作品と、著作権者が公開に同意した作品をテキストデータ化し、公開しているプロジェクト。
いろんな文章を勝手に翻訳して公開しちゃうプロジェクト。著作権の切れた文学作品と、フリーソフトウェア・オープンソース関係の文書が中心。
そのほか、インターネット上で入手可能な小説などのテキストデータは多々あります。
青空文庫で公開されているテキストデータの多くにはルビが付いています。基本的にはプレーンテキストなので普通のテキストビューア、エディタで閲覧可能ですが、ルビをルビとして表示できるソフトは限られます。そこで、Pocket PCでルビを表示できるテキストビューアを簡単に紹介します。もちろんルビの無いテキストも正しく表示できますし、インターフェースも読書用に最適化されていますので、青空文庫以外のテキストの閲覧にもお勧めです。。
ここで挙げたすべてのソフトに共通しているのは、
といった点です。
片山功士さんによるシェアウェア(1,000円)。縦書き表示、フォントのアンチエイリアス表示が可能で、ほとんどの人にお勧めです。
マイクロキャビンが販売しているシェアウェア(1,000円)。正直言って、同じ値段ならアンチエイリアスがかけられるRubyReaderの方がお勧めです。あえてこちらの利点を挙げるなら、
といったところでしょうか。
いや、別に恨みがあるわけじゃないんですけど(苦笑)。
いばらの道です(おい)。使える状態に持って行くまでがめんどうですし、そこまでしても手に入る環境は一部を除いてRubyReaderにおよびません。
具体的には、ディスアドバンテージは
です。たった二つといえば二つですが、この二つ――特に縦書き表示は、個人的には決定的です。
とはいえ、アドバンテージもあります。
こういった点に魅力を感じる方、また、
などにお勧めです。
(2005/06/25追記:Pocket WZ 3.0では縦書きに対応しました。)
というわけで、Pocket WZ EDITORによる読書環境の構築について解説します。ほかの二つについては、公式ページやドキュメントに十分な情報がありますので割愛いたします。
いや、えこひいきじゃないです。ホントに。
マニュアルに従ってインストールを行ってください。TX-Cマクロ機能も必ずインストールしてください。
というか、今までPocket WZを使っていなくて、わざわざ読書のために入れるという人もいないとは思いますが。
うちのライブラリからダウンロードし、ドキュメントに従ってプラグイン登録してください。
TX-Cライブラリからダウンロードし、マクロフォルダにコピーしてください。
ただし、6月18日時点では、Pocket WZ EDITOR 2.07上でコンパイルが通りません。BookReadのページにコンパイルが通るようにソースを修正するマクロを掲載したので、こちらをご利用ください。
「やはり読書は明朝系フォントに限る」という方も多いかと思いますが(というか僕だ)、Pocket PCには標準では明朝系のフォントがインストールされていません。
「¥Windows¥Fonts」フォルダに、Windows用のTrueTypeフォントをコピーすることでそのまま利用できますので、適当な明朝系フォントをお持ちならそれを使うとよいでしょう。
Vectorプロレジの専門店で、ダイナラブジャパンのダイナフォントを購入できます。1書体2,100円と比較的安価で、サンプルも表示できるのでお勧めです。
ちなみにこのページの画像でサンプルとして利用しているフォントは、「DF華康明朝体W5」です。上記のページで購入できますし、DynaFont Type Museum TrueType100(標準価格12,800円)にも含まれています。
読書用に、「読書」という名前の「文書の設定」を作成します。設定内容は自分の使いやすいようにするのがいちばんですが、僕のお勧めは
といったところです。
ドキュメントに従って各種設定を行ってください。「『青空文庫』プラグイン連動」は「自動判別」か「常に連動」にしておいてください。また「閲覧起動時から読書モード」はONにしておくとよいでしょう。
とくに設定を行なう必要はありません。BookReadが内部的に利用するだけなので、読書をするだけなら、プラグインとして登録する必要もありません。
これらの設定を済ませた後、読書を行ないたいテキストを開き、メニューから「表示」-「読書」を選択します。すると、文書の設定があらかじめ作成しておいた「読書」になり、そのほか画面タップによるページ送りや範囲選択時のEnter(アクションボタン)による単語のクリップボードへのコピー&辞書ソフトの起動など、独自の機能が有効になります。
ダウンロードしたテキストなど、修正を加えるつもりがない文書はファイラなどで「読み取り属性」を付けてしまいましょう。これにより、Pocket WZ EDITORが閲覧モードでテキストを開き、結果として起動時から読書モードになります。
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