Pocket PCで読書しよう

文庫本サイズでどこでも持ち歩けるPocket PCは、読書端末としてもぴったりです。読みやすさという点では実際の本にはまだ及ばないところもありますが、外部ストレージなどを利用すれば文庫本数十冊分のデータ(ちゃんと計算したわけではありませんが、たぶんそのくらい)を楽に持ち運べるという利点があります。そこで本記事では、Pocket PCで読書する際に利用可能なソフトの紹介などを行ないます。

テキストデータの入手先

以下のサイトなどから、文学作品ほか各種のテキストデータが入手可能です。

そのほか、インターネット上で入手可能な小説などのテキストデータは多々あります。

ルビ表示が可能なPocket PC用テキストビューア

青空文庫で公開されているテキストデータの多くにはルビが付いています。基本的にはプレーンテキストなので普通のテキストビューア、エディタで閲覧可能ですが、ルビをルビとして表示できるソフトは限られます。そこで、Pocket PCでルビを表示できるテキストビューアを簡単に紹介します。もちろんルビの無いテキストも正しく表示できますし、インターフェースも読書用に最適化されていますので、青空文庫以外のテキストの閲覧にもお勧めです。。

ここで挙げたすべてのソフトに共通しているのは、

といった点です。

RubyReader

RubyReaderの画面片山功士さんによるシェアウェア(1,000円)。縦書き表示、フォントのアンチエイリアス表示が可能で、ほとんどの人にお勧めです。

ブックリーダー(配布終了のようです)

ブックリーダーの画面マイクロキャビンが販売しているシェアウェア(1,000円)。正直言って、同じ値段ならアンチエイリアスがかけられるRubyReaderの方がお勧めです。あえてこちらの利点を挙げるなら、

といったところでしょうか。

いや、別に恨みがあるわけじゃないんですけど(苦笑)。

Pocket WZ EDITORBookReadプラグイン青空文庫プラグイン

Pocket WZ EDITORの画面いばらの道です(おい)。使える状態に持って行くまでがめんどうですし、そこまでしても手に入る環境は一部を除いてRubyReaderにおよびません。

具体的には、ディスアドバンテージは

です。たった二つといえば二つですが、この二つ――特に縦書き表示は、個人的には決定的です。

とはいえ、アドバンテージもあります。

こういった点に魅力を感じる方、また、

などにお勧めです。

(2005/06/25追記:Pocket WZ 3.0では縦書きに対応しました。)

Pocket WZ EDITORで読書環境を構築

というわけで、Pocket WZ EDITORによる読書環境の構築について解説します。ほかの二つについては、公式ページやドキュメントに十分な情報がありますので割愛いたします。

いや、えこひいきじゃないです。ホントに。

インストール

Pocket WZ EDITOR本体

マニュアルに従ってインストールを行ってください。TX-Cマクロ機能も必ずインストールしてください。

というか、今までPocket WZを使っていなくて、わざわざ読書のために入れるという人もいないとは思いますが。

BookReadプラグイン

うちのライブラリからダウンロードし、ドキュメントに従ってプラグイン登録してください。

青空文庫プラグイン

TX-Cライブラリからダウンロードし、マクロフォルダにコピーしてください。

ただし、6月18日時点では、Pocket WZ EDITOR 2.07上でコンパイルが通りません。BookReadのページにコンパイルが通るようにソースを修正するマクロを掲載したので、こちらをご利用ください。

おまけ:明朝系フォントの用意

「やはり読書は明朝系フォントに限る」という方も多いかと思いますが(というか僕だ)、Pocket PCには標準では明朝系のフォントがインストールされていません。

「¥Windows¥Fonts」フォルダに、Windows用のTrueTypeフォントをコピーすることでそのまま利用できますので、適当な明朝系フォントをお持ちならそれを使うとよいでしょう。

Vectorプロレジの専門店で、ダイナラブジャパンのダイナフォントを購入できます。1書体2,100円と比較的安価で、サンプルも表示できるのでお勧めです。

ちなみにこのページの画像でサンプルとして利用しているフォントは、「DF華康明朝体W5」です。上記のページで購入できますし、DynaFont Type Museum TrueType100(標準価格12,800円)にも含まれています。

設定

Pocket WZ EDITOR本体

Pocket WZ EDITORの「文書の設定」画面読書用に、「読書」という名前の「文書の設定」を作成します。設定内容は自分の使いやすいようにするのがいちばんですが、僕のお勧めは

といったところです。

BookReadプラグイン

BookReadプラグインの設定画面ドキュメントに従って各種設定を行ってください。「『青空文庫』プラグイン連動」は「自動判別」か「常に連動」にしておいてください。また「閲覧起動時から読書モード」はONにしておくとよいでしょう。

青空文庫プラグイン

とくに設定を行なう必要はありません。BookReadが内部的に利用するだけなので、読書をするだけなら、プラグインとして登録する必要もありません。

実行

読書モードへの切り換え

Pocket WZ EDITORで「表示」メニューを開いたところこれらの設定を済ませた後、読書を行ないたいテキストを開き、メニューから「表示」-「読書」を選択します。すると、文書の設定があらかじめ作成しておいた「読書」になり、そのほか画面タップによるページ送りや範囲選択時のEnter(アクションボタン)による単語のクリップボードへのコピー&辞書ソフトの起動など、独自の機能が有効になります。

常に読書モードで開きたい文書は

ダウンロードしたテキストなど、修正を加えるつもりがない文書はファイラなどで「読み取り属性」を付けてしまいましょう。これにより、Pocket WZ EDITORが閲覧モードでテキストを開き、結果として起動時から読書モードになります。

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