「エンカルタ 百科事典 99」を使いはじめて1年、特に不満は感じていなかったのですが、項目数が6,000ほど増えているということで、それだけでも買ってもいいかなぁ、機能は別に99より上がっていなくても十分だし……というくらいの気持ちで、DVD版「エンカルタ 総合大百科 2000」を買ってきました。
DVDで欲しかったので「総合大百科」にしましたが、基本的には「百科事典」しか使っていません。「百科地球儀」や、今回から追加された「ブックシェルフ」も入れたかったのですが、ハードディスクの空きがなくて……。基本的にノートがメインマシンなので、CD(DVD)-ROMドライブにデータを置くことは考えていません。
というわけで、まずは必要と思われるデータをHDDにコピーし、HDDからインストールを行ないました。エンカルタ 99ではこれでインストールできたのですが、今回はどうも様子がおかしい。インストーラが途中で何のメッセージも出さずに終了してしまうのです。
もしや……と思い、仮想CD-ROM作成(といっても、特定のフォルダをCD-ROMドライブとして認識させる、というだけですが)ソフト「fakecd」(http://ftp.urz.uni-heidelberg.de/ftp/pub/simtel/cdrom/等から入手可能)を使って、エンカルタのデータが入っているフォルダをCD-ROMとして認識させたところ、うまくインストールができました。うわ、メディアのチェックなんてしてるのか。セコいことするのぉ>MS
ま、fakecdを使えば解決なのですが、もし、ネットワークに繋がっているなら、ネットワーク経由でインストールするのも手です。ローカルにコピーしたものからはインストールできないくせに、何故かネットワークコンピュータ上からなら問題なくインストールできます。とはいえ、この場合は、実際にエンカルタを実行するマシンのほかに、ファイルサーバーとなるマシンも必要になります。「自分自身をネットワークコンピュータから開いてインストール」というのも試してみたのですが駄目でした。つくづくセコいのぉ>MS
ちなみに、試行錯誤してみた結果、だいたいどのフォルダをコピーすればいいか分かりました。あくまで僕のところでやってみた結果なので、内容は保証しませんが、こんなかんじです。
フォルダ名 | ファイルサイズ | インストール時 | 実行時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
AREF | 19.5MB | 必須 | 不要 | システムファイルやフォントなど |
EE | 16.8MB | 必須 | 不要 | インストーラ、実行ファイル |
SUPPORT | 7.41MB | 必須 | 不要 | ヘルプファイル、サポートツールなど |
ENCYC | 680MB | 不要 | 必須 | 本文データ |
DATA | 593MB | 不要 | 一部必要 | 一部のメディアのデータ |
TOURS | 2.38MB | 不要 | 一部必要 | プロダクトツアーのデータ |
それと、ルートフォルダには「ENC00.CD1」と「ENC00.CD2」を残しておけばよいようです。結構いいかげんに調べたのですが、これで本文およびメディアのデータはほぼ全て見られます。「バーチャルツアー」など一部機能は使えませんでしたが、ま、いいや(笑)。
さらに、DATAフォルダは本文だけ見ている分には必要ないようです。まとめると、インストール時にはEE、AREF、SUPPORTフォルダが、実行時にはENCYCフォルダがあれば何とかなるようです。
インストールの解説が長くなってしまいました。これもセコいMSが悪いのですが(しつこい)。で、実際に起動してみての感想です。主に、エンカルタ 99との比較を中心に。
検索はずいぶん使いやすくなっています。検索文字を入力すると、確かエンカルタ 99では前方一致だけだったと思いますが、タイトル内に検索文字列を含む項目、さらに検索文字列を含む項目(つまり全文検索)までが、一瞬でリストに表示されます。特に今まで「高度な検索」で行なっていた全文検索が簡単に行なえるのは便利です。(99の時も思ったけど、どーゆーインデックス構造にすれば35,000項目の全文検索が1秒かからんのだ?)。
肝心の本文の方ですが、本文の目次(項目構成)や収録されている画像などを概観できる「トップページ」が表示されたり(設定により表示しないことも可能)、画像などのメディアを本文内へ配置したりなど、体裁はWebサイトを思わせます。これはこれで見やすいのですが、エンカルタ 99のように、本文だけの表示にすることができないのは、ノートPCでは少し辛いです。もっとも、世界大百科事典や日本大百科全書のように、無理矢理紙の本の体裁を再現しようとして見づらくしちゃうのではなく、PCで見るのに適したレイアウトがされているので、一画面に入る情報量が少ないこと以外は、それほど苦ではありません。
僕自身は、もともとはEPWINGのようなテキスト主体の情報の方が扱いやすくていいな、と思ってるのですが、このレイアウトなら許容範囲かな。
他に気になったのは、終了時のウィンドウのサイズおよび状態にかかわらず、起動するたびに最大化されてしまうところ。こういうおせっかいは、せめて設定でOFFにできるようにしてほしかったなぁ。拙作の検索マクロには、強制的にもとのサイズに戻す機能でも付けちゃおうかと思います。
という感じで、本文の内容に関しては評価できるような知識もないので、ソフトウェアとしての使い勝手について好き勝手に書いてみました。う〜んしかし、画面を見せないで説明するのは難しいなぁ(言い訳)。
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