待望のPocket PC対応Pocket WZ EDITOR(Ver.2.07)公開されました。Pocket PCに対応というだけでも十分に素晴らしいのですが、ほかにもちょこちょこ変わっているところがあります。そこで、気が付いたことをつらつらと書いてみました。
なお、この文書の内容は、α、βテスト時に公開していた「Pocket WZ EDITOR 2.07 β版レポート」の使いまわしです。そちらを見たことがある方は読む必要はありません。
作者であるTY氏のWebサイトから入手できます。
TML文書で、行間を行高(フォントサイズ+1)の4分の1以上あけたときに、ルビを直接表示できるようになりました(従来は色分けのみ)。Windows版には実装されており、Pocket WZにもバージョンアップ履歴にはあるものの、未実装だった機能です。
y.mikomeさん作のプラグインマクロ「青空文庫」を使うことにより、青空文庫からダウンロードした小説がルビ付きで読めます!
なお、このプラグイン、2000年12月16日時点の最新版であるVer.1.21では、そのままではエラーになってしまい、コンパイルできません。マクロソースの55行め、「#define IsDlgButtonChecked(h,i) SendMessage(GetDlgItem(h,i),BM_GETCHECK,0,0)
」の部分をコメント化するか、消してしまえば問題なく使えます。
(2001/05/02(Wed)追記:さらにβ1.2以降では、PWZの仕様変更によりそのままではコンパイルできなくなりました。コンパイルするには、「(strstr(text->szcfg,"青空文庫")
」となっているところ(二カ所)の前に、「mchar szcfg[CCHWORD];txConfigGetGroupName(text,szcfg);
」という行を追加し、「text->szcfg
」を「szcfg
」に置き換えてください。(この説明で分からない方は、メールでもいただければ詳しくお教えします)。
こうなるとビューアとして使うとき用に、ルビを色分けしない設定がほしいかも。
2001/01/11(Thu)追記:α2.5で、ルビの直接表示を行なっている場合は、色分けがされないようになりました。掲示板の方ではとくに要望として挙げなかったのですが……もしかしてTYさん、このページ見てくれたんでしょうか(いや、要望挙げた際に「感想書きました」なんて言って、URLは告知しておいたんですけどね)。
H/PC版でのみ利用可能で、PsPC版では利用できなかった「世代管理」が使えるようになりました。バイナリ共有のおかげでしょうか。
僕はWindows版のWZではN.Yamamotoさん作のセーフファイルを使っていますが、Pocket WZでは利用できないので重宝しそうです。といっても、Pocket PCで世代管理が必要なほどのテキスト編集をする機会はそれほどはないのですが。
Pocket PC化の目玉とも言える、タップ&ホールドメニューが実装されました。おもに移動、検索系のメニューが実装されています。ただ、範囲選択時には効かないのが残念です。
2001/01/11(Thu)追記:α2.5で、範囲選択時にもメニューが表示されるようになりました。「検索」、「置換」、「変換」、「切り取り」、「コピー」、「貼り付け」、「クリア」が行なえます。
2001/02/08(Thu)追記:2.07 β1で、非選択時のメニューに「貼り付け」が加わりました。
また、メニュー項目はちょっと欲張りすぎかな、と思います。この辺はユーザーがカスタマイズできるようになるといいですね。
Ver.2.06Aまでは、PWZ本体の設定に関係なく、IMEの未確定文字列をPWZが描画していました。そのため、一度入力した手書き文字のインライン修正ができませんでした。Ver.2.06B α2より、PWZ本体の設定を引き継ぐようになりました。
細かいことですが、個人的には非常に便利になりました。
ツリービュー、本分作成ウィンドウの両方に、タップ&ホールドメニューが実装されています。ツリービュー選択時の「新規作成」は、未整理でなくてそのツリーへの作成のほうがいいかなぁ?
フォルダ一覧、メール一覧、プレビューウィンドウそれぞれに、タップ&ホールドメニューが追加されています。内容はほぼWindows版の右クリックメニューと同等です。
これ以外の変更点は見つかりませんでしたが、これだけでもとても便利です。
ファイラはもともとあまり使い込んでないのではっきりとは言えませんが、こちらも変更点はタップ&ホールドメニューの追加くらいのようです。せっかくの2画面ファイラなんだから、コピー、移動系の機能もタップ&ホールドメニューに入れてほしいですね。
2001/01/11(Thu)追記:α2.5で、「コピー」、「移動」、「削除」がタップ&ホールドメニューに追加されました。
IMEのON、OFFに連動して、自動的にサイズを縮めたり、もとに戻したりするようになりました。僕は自作のプラグインマクロ「ResizeOnIme」で無理矢理実現していましたが、待望の正式対応です。
EDITORだけでなく、MAIL、MEMO、FILER等あらゆるアプリケーションの必要な場面で、リサイズが行なわれます。
ダイアログがすべて全画面ダイアログとなり、Pocket PCらしくなりました。ただ、「マクロの実行」やMAILの「パスワードの入力」などの、1行入力系のダイアログは全画面化しなくてもよいかな、と思います。
2001/01/11(Thu)追記:α2.5で、1行入力系は、全画面でないダイアログとなりました。
なお、一瞬見落としがちですが、キャンセルはメニューバーにある「×」です。
ユーザー要望により(って僕も一枚噛んでるんですが)、横表示(landscape)モードでの動作に対応しました。
2.06Aの段階では自然と対応できていたものの、2.06B αになった時点でH/PCとバイナリを共有し、Pocket PCであるかどうかの判別は画面サイズを基準としていたため、Pocket PC上で動かしても、H/PCと判別されてうまく動作しなかったようです。2.07 β1で、横表示での画面サイズ(320×240)もPocket PCであると判別し、正常に動作するようになりました。また、ファイラでは右に余った部分にファイルサイズが表示されたり、ツールバーにコピー、移動ボタンが増えたりなど、何気にちょっぴりお得です。
もっとも、ダイアログなどは縦画面のものと変わらないので、設定画面など、ところどころ切れてしまって操作できないものもあります。まあ、Pocket PCにおいて横画面モードというのは、CASSIOPEIA E-700ではソフト(Jimmy SoftwareのJS Landscape)が必要、Jornada 548でも裏技を使うことで実現するという、あくまで非公式なものですから、わざわざ対応してもらうのも何ですね。メニュー操作には支障ないので、場合によって使い分ければよいと思います。
WZの特徴として、「Windows版、Linux版も含めた複数のプラットフォームでのソースの共有」があります。このおかげで、Windows版のWZ 4.00Eでの修正などがPocket WZにも反映されています。細かい変更もたくさんあるので、詳しいことが知りたければアップデータの配布ファイルに含まれているVERUP.TXTを読みましょう。
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