どれも(とくに上二つ)Tipsってほどのもんじゃないかも……。
まずは、たぶん誰でも知ってる事なんだろうなぁ、というTips(<どこがTips?)を。
E-700の手書き認識はよくできており、漢字かな混じりの文章なら、ソフトウェアキーボードを使うよりずっと早く入力できます。ただ、標準の状態では、文字を書いてから実際に入力されるまで、ちょっと間があるため、もたつきを感じてしまいます。右側の「認識」ボタンを押せばすぐに入力されるのですが、一文字書くごとに押したのではめんどうです。
この「書いてから入力されるまでの間」は設定で変更できるので、少なめに変えちゃいます。スタートメニューから「設定」-「入力」で設定を開き、「手書き入力」を選択して「オプション...」ボタンを押すと「手書き入力のオプション」という画面が現われるので、「タイムアウト値」を2から1に変更し、「タイムアウトを使用」というチェックボックスはそのままにしておきます。
0秒という設定はないため、結局1秒しか違わないのですが、見方によっては半分になったとも言えます。僕自身の感覚としてはかなり快適になりました。個人的には0.5秒くらいでもいいかな、とは思うのですが、小数点以下および0秒という設定はできませんでした。
E-700の手書き認識の精度はかなり高く、ちょっと崩したくらいの字なら十分認識可能ですが、それでも間違って入力されることもあります。この場合は間違った文字の前をタップすると、そこにカーソルが移動したうえでほかの文字が候補として表示されるので、そこから選べばよいようになっています(候補にもなければ一旦消して、もう少し丁寧に書き直すことになります)。と、ここまでは説明書にも載っている常識。
しかしこの機能、Pocket WZ Editor上では、そのままでは効きません。これは、PWZの初期設定で、IMEの未確定文字列をPWZ自身が描画するようになっているからです。PWZのメニューから「表示」-「カスタマイズ...」で設定ダイアログを開き、「表示」タブの一番上、「IMEの表示」を「IME描画(CE2.11)」にすれば、PWZ上でもインライン修正(勝手に名付けました)が可能になります。
僕はE-700に、青空文庫などから入手したテキストファイルを転送し、読書端末としても利用しています……と言うか、これから利用するつもり。しかしそうなるとやはり、明朝体のフォントが欲しくなってきます。
そこで、母艦(Windows 98マシン)の「MS 明朝&MS P明朝」フォント(ファイル名で言うとMSMINCHO.TTC)をコピーして使ってみたところ、普通に使えました。なぜかPocket WZ Editorでは「MS P明朝」の方がうまく使えませんでしたが(指定すると「MS ゴシック」で表示されてしまう)。
しかしこのフォントファイル、二つのフォントが合わさっているため、サイズが8.71MBもあります。RAMが32MBもあるとは言え、さすがに常に入れておくのはつらいです。さらに読書はPWZ上で行なう予定のため、「MS P明朝」はまったくのムダになってしまいます。
そこで、MSMINCHO.TTCファイルから「MS 明朝」だけを取り出しました。取り出し専用のソフトが見つからなかったので、フォントエディタTTEdit(シェアウェア3,000円/作者:安沢勝昭さん)の機能を使いました。
まず、TTEditを起動後、「ファイル」-「一括コピー...」を実行します。「一括コピー」ダイアログが出るので、コピー元ファイルの欄には「インストール済みを参照」を利用して(利用しなくてもよいですが)フォントフォルダのMSMINCHO.TTCを選択。コピー先ファイルには適当なファイル名(たとえばMSMINCHO.TTF)を指定します。そのほかの設定はいじらなくてOKです。
「OK」ボタンを押すと、複数のフォントが含まれているのでどちらを使うか選択してね、というメッセージが表示されるので、ここでは「MS 明朝」の方を選びます。
3〜4分待っていると変換は完了です。ファイルサイズは3.04MBになりました。これくらいならまあ、許容範囲ですね。これをこのままE-700にコピーして使ってもよいのですが、フォント名が「書体名未設定」になっているので、「MS 明朝」に変えちゃいましょう。TTEditのウィンドウがまだ開いているはずなので、そこに変換されたフォントをドロップして開き、「設定」-「フォント情報」で修正できます。
これを、E-700の「¥Windows¥Fonts」フォルダに放り込めば、E-700から普通に使えます。Pocket WZ Editorで「MS 明朝」を指定し、フォントサイズを大きくすれば、読書用の設定ができあがり。「読書」などと設定名を付けて保存しておくとよいでしょう。改行コードやタブなど、読書にじゃまになりそうなものはすべて非表示にしちゃうのもよいですね。
ただちょっと書いておかなければならないのは、ライセンスについてです。Windowsに付属しているフォントをほかのマシンにコピーしているわけですから、使用許諾違反になる可能性は否定できません。Pocket PCを「周辺機器」と考えれば、許容範囲かなぁと思いますが、良識の範囲内での使用にとどめておくべきでしょう。
なんてのがとても気になるなら、始めから市販のフォント集を買ってきちゃうというのも手ですね。
あたりが比較的手頃かな、と思います。
E-700のボタンには、「設定」の「ボタン」から、スタートメニューにあるプログラムを割り当てることができます。しかしこいつの動作には少し変なところがあって、何故か、引数付きのショートカットをスタートメニューに登録し、それをボタンに割り当てても、引数は無視してしまうのです。そもそもPocket PCには、標準で引数付きのショートカットを作る方法が用意されてないのですが、まあ、それはまた別の話。
オンラインソフトなんかだととくに、起動オプションで動作を分けたりするものもありますので、これでは困ってしまいますね。というわけで、引数付きでボタンにアプリケーションを割り当てる方法を調べてみました。
設定といえばやはりレジストリが怪しいな、とTascalSoftのTascalRegEditを使っていろいろ見てみたら……おお、それらしいのがありました。「HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥」以下のキーが、ボタンへのアプリケーションの割り当てなどを設定するもののようです。録音ボタンの設定は「HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C1」でした。同じ階層にボタン1〜3、およびそれとアクションボタンの組み合わせの分の設定もあるので、必要なものをいじるようにしましょう。
設定方法ですが、該当するキーを開くと、「Default」という名前でスタートメニューのショートカットのパスが書かれているはずです。これを、起動するアプリケーションのパスそのものに書き換えてしまいます。もちろん、同時に引数の指定も行なうわけです。
これで、無事ボタンにオプション付きでアプリケーションを登録できました。なお、この設定をしたあと「設定」-「ボタン」を開くと、レジストリをいじったところには標準のアプリケーションの名前(たとえば録音ボタンなら「ボイスレコーダー」)が表示さますが、あわてずに。ヘタに触らなければ、設定は変わりません。多分ちょっとでも触ると、標準にリセットされるんでしょうね(笑)。
ちなみに、これは副次的な効果ですが、この方法だと「ボタンに割り当てたいソフトを、スタートメニューに置く必要がない」というメリットもあります。ボタンに割り当ててあるものをわざわざメニューからたどる人もそういないでしょうから、メニューをすっきりさせたい場合にも有効かもしれませんね。さらに、スタートメニューの「最近使ったアプリケーション」にも痕跡を残しませんので、タスクマネージャやランチャの類など、「最近使ったアプリケーション」に残したくない場合にもお勧めします。ちなみに僕は、自作のタスク終了ツール「AbsoluteSimpleClose」に、この設定をいじって録音ボタンに割り当てるためのツールを添付しています。
レジストリの値 | 対応するボタン |
---|---|
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C1 | ボタン(横) |
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C2 | ボタン 1 |
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C3 | ボタン 2 |
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C4 | ボタン 3 |
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C5 | アクション+ボタン 1 |
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C6 | アクション+ボタン 2 |
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Shell¥Keys¥40C7 | アクション+ボタン 3 |
2001/01/05(Fri)追記:この辺の設定を簡単に行なえるコントロールパネルアプレット、「ボタン(裏)」を作りました。レジストリをいじるのが面倒、という人は使ってみてください。
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