- REDBLUEMagnet 体験版 ver0.1/蒼磁石 ※注: 対象年齢18歳以上
ジャンル名そのまんま、「神」により突然全人類が強制参加型させられるデスゲームのお話ですが、ルールがいい感じにエグい方向に凝ってるのが特徴。
- 人類全てが赤、青どちらかの陣営にランダムに分類される
- 各陣営が1,000人ずつ、戦闘用のパラレルワールドに転送される
- 各陣営には1名、ランダムに「リーダー」が選出される
- 戦闘は最長24時間。どちらかのリーダーが死亡すればその瞬間に死亡したリーダーの陣営が負け。24時間以内にリーダーが死亡しなければ、終了時に生存者数が多い陣営が勝ち
とまあ、ここまではデスゲーム的には人数が多い程度で割とオーソドックスですが(オーソドックスなデスゲームって何だってのはさておき)、エグいのはここから。
- ゲームは戦闘1日、インターバル1日の繰り返しで計5回行われる
- 戦闘のたびに、誰が赤・青どちらの陣営に所属するかはランダムに選び直される
- 自分の所属する陣営が2回負けると、その瞬間に死ぬ(もちろんパラレルワールドでの戦闘時に死亡した場合も普通に死ぬ)
つまり、最初に同じ陣営になって共闘した人間が、次の戦闘では敵になっている可能性もあるという。今回の体験版では1回目の戦闘までですが、2回目以降の戦闘はもちろん、その前のインターバルも人間関係がグッチャグチャになりそうな予感。スポーツなら面白いルールだなー、って感じですが何分デスゲームですので、今回は味方、次は敵といっても割り切れるわけがなく。そして協力しようとしたところで、次の戦闘で仲間になるとは限らないのですから。1回きりの戦いとは違い、同陣営の他人を助けたり生き抜く知識を共有することが、必ずしも自分の利になるとは限らない。え、えげつねー!
さらに、パラレルワールドに転送される1,000×2人は転送時の現在位置ベース。つまり赤、青に分かれるのはご町内の皆様。ランダムですから当然家族が別陣営になっていまうことも。というわけで、さすがに「じゃあ殺し合いますか!」ということにはなりません。幼馴染みがリーダー(という名前だけど実質ターゲット)にされてしまった主人公が率先して人を集めたり。相手陣営との会合をもって死人を出さない方法を模索したり。
で、当然出てくるルールの穴探しとして「24時間後までに両陣営一人も死人を出さなければどっちも“負け”扱いにならないんじゃね?」というのを試すことに。主人公とか「その手があったか」的な反応でしたが、けっこう頭が切れる設定なので、むしろルール説明が終わった瞬間にそれを思いつかないのが不思議なくらいでしたが。
とはいえ、もちろんそのまま都合よく行くはずもなく。でも殺し合いは避けられた雰囲気だし、どうやって最初の均衡が崩れるのかなーと思っていたら、「あ、それもありなんだ」と意外な展開。その先も希望と絶望の振り幅が広く、引き込まれました。基本的に主人公の一人称で語られますが、一見、愚かであったり狡猾であったりする人でも、もちろんそれは一面でしかないことに気付かされたり。もちろん逆もあるわけですが。善人、悪人なんてわかりやすいラベルは意味がなく、どうしようもなくただ「人」なんだ。みたいな。とくに上の世代がねえ。荷庵さん……。
そんなわけで、サスペンス的な方向に行くかと思ったら意外とヒューマンドラマ系?とか思ってたら結局えげつない。やっぱ、平和的解決とか無理っぽいわー、というところで1日目終了。次回予告を見る限りでは主人公は完全に「勝ちに行く」ことにしたようで、次からはさらにヤバイ話になりそうで楽しみです。
全世界でデスゲームを行うにあたり何で「日本時間の」0時~24時ベースなんだろうとか、「神」が妙に俗っぽい(TVでわかりやすいプレゼンする神!)とか、「人間の愚かさを思い知らせるような神罰を与えると予告していた」というのが定説になりつつあるけどそれはあくまで事前の噂で、「自称神」の放送では「理由」は語られなかったよなあ、とか微妙に突っ込み所もありますが、デスゲーム自体はあくまで舞台装置で、それ自体や神の存在の謎に迫って云々、という話ではなさそう。理由はどうあれ始まってしまった極限状態の中で、主人公達がどう足掻いていくのか、というのが見所になっていくのかなと思います。主人公、「託されちゃった」しなー。主人公達若者と、上の世代との相対(時に付け込まれたり、時に助けられたり)も興味深いところです。
キャラクター的には、ちょいニヒルな主人公。ブラコン気味の妹。優しい幼馴染み。頭の切れそうな友人と行動力のある悪友といった感じで、次回以降、戦うか否かで考えが分かれそうなところがこれまたエグい。今回はヒロイン全員が主人公側、逆側には頼れる悪友という絶妙なバランスでしたが、それが崩れたときどうなるのか……。それはさておき、男女混じった友人同士で妙にレベルの低い猥談が展開されるのも適度に気が抜けて面白かったです。