iOSゲーム感想メモ ノベルゲーム「四方の月」

冬コミで体験版を読んで続きを楽しみにしていた作品。体験版はPC用でしたが、完成版はiOS向けにリリース。というわけで、初めて本格的にiPadでノベルゲーム読んでみました。

1時間ほどの短編ということもあり、体験版の感想で書いたこと以上となるとだいたいネタバレになっちゃうのであんまり書くこともないのですが、体験版(序盤)の達観した風とは異なり、主人公の四方君が意外とガキだったのが面白かったです。……いい意味で。

四方の月 四方 vs “狗”のオッサン
割とノリのいい“狗”のオッサン

追う者と追われる者。自然発生的な異能と人工的な異能。秩序と反秩序……と、いくつかの対立軸が見て取れる(それは敵・味方の間だけでなく)本作ですが、個人的にとくに際だって感じたのは「大人と子供」で。大人の代表と言えるのが、ヒロインの月読さんを攫っていき(語弊アリ)、四方君の前に立ち塞がる“狗”のオッサン。武力で圧倒することも可能なのに、大人としての“筋”を解く。妥協もする。四方君の事をガキだガキだと言う割にはガキ扱いで軽くあしらわないあたり、実は意外といい人じゃね、とか思ったり。実際のところ、「今回の事件では利害が対立した」だけで別に悪者ってわけでもないんですよね。そんなわけで、理屈でも殴り合いでもすっかりやり込められちゃった四方君がどう再起していくか、というあたりからが見物でした。

一方で、お話的には短いなかで結構展開しますが、割と「ある街の片隅での、異能が絡むちょっとした事件」といった趣で、紹介ページにあるような「世界を護るのか、それとも壊すのか」みたいな壮大なフリは若干拍子抜けの感もあり。月読さんの「私は……この世界を壊したい」というのも割と少女的中二病の産物だしなあ(笑)。会話の中では、月読さんの異能が実際に世界レベルで使われる可能性についての言及もあったことはあったけど、説明台詞だけではいまいち現実味は感じられませんでした。まあ、その辺は短編だし、舞台装置として軽く流すのが吉かも。

物語以外では、体験版の感想でも書きましたがやはり音楽関係が素晴らしく。月読の歌のBGMバージョンが意外にも?壮大なアレンジで格好良かったです。ちなみに、ヘッドホンで聴くのはイマイチだし、iPad内蔵スピーカーなんてもってのほか、ということで、本作用にHDMI出力アダプタ買ってスピーカーに繋いで聞いてました。

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