C83作品感想メモ14 戦国ミニADVゲーム「いつくしま日記」

いつくしま日記
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開発中の戦国ノベルADV「さこそ仇なる色に咲くとも」(通称仇色、こちらも体験版プレイ済みで完成楽しみ)の番外編。1周20分程度のミニゲームですが途中の選択によりマルチエンディングでエンド数は10。一部のエンドを見るのはなかなか大変で、しかし理不尽ではなく想定と実践により道をつけることが可能な、納得の分岐っぷりを楽しめる良い分岐ゲーでした。プレイ時間は人によりけりだと思いますが、自分はエンド10個中9個見るまでに1時間、そこから最後の1つ見つけるのにプラス1時間(汗)といったところです。

仇色本編の前、あどけない白蓮さんをお爺ちゃん目線で愛でる

物語は仇色本編の1、2年前。本編主人公で厳島神社の巫女である白蓮さんがお遣いをしながら、小倉山城へ里帰りをする日常の1エピソードという趣。ついでに海賊とか山賊とか退治してますが、その辺も割と平常運転。

さておき、基本は白蓮さん視点である本編とは違って、厳島神社の神人である主人公の視点で進むので、ああ、白蓮さんって傍から見るとやっぱりこういう感じなんだな、というのがわかって楽しく。本当に落ち着きがなくてほっとけない(笑)。でも何にでも全力で真剣で、あらためて可愛らしく、見守っていたいなぁと思わされました。感覚的にはお爺ちゃんが孫を見る目線に近いです。

美味しそうにご飯食べてる表情差分が存在するヒロイン、それが白蓮さん
美味しそうにご飯食べてる表情差分が存在するヒロイン、それが白蓮さん

仇色本編の白蓮さんは戦巫女として畏怖を覚えたり、戦略眼に感心する面もあるのですが、今回は1、2年前、新人巫女時代ということもあり、あどけなさや少し抜けたところが前面に出ている印象でした。団子食べてるシーンがお気に入りです。

と言いつつ、あるエンディングに至るルートでは割と重要っぽい設定に触れてて、おお、これここで出すんだー、と思ったり。ややネタバレなので詳細は伏せますが……って、思いっきりCDレーベルに絵が出てますね(笑)。この絵がまた艶っぽくて、表情に残るあどけなさとのギャップでドキっとするのですわ(言っていることが完全におっさん)。

歯ごたえと納得感のある、これは良い分岐ゲー

(以下、結果的に攻略のヒントにもなりそうな内容にもなっているので、自力でコンプしたい方はご注意ください。)

本作の分岐は単純なツリー分岐ではなく、複数の選択肢の組み合わせでフラグが立つタイプ。適当に数回プレイしていれば10個のうち5~6個はサクッと埋まりますが、そこからは考えないと出すのは難しい印象です。選択肢の数的に総当たりは非現実的。

ではどうするか。自分の場合は以下のような感じで進めました。

  • エンドリストと「これまでに見たエンディングに影響のなかった選択肢」から、あり得べき残りのエンディングと関係する選択肢を絞り込む「想定
  • 目星をつけた選択肢に対しさまざまな組み合わせを試し、メッセージの変化を確認する「観察
  • これにより導いた自分なりの答えを試す「実践

エンドリストはGOOD系とBAD系に分かれているので、このGOODエンドの裏側にあたるBADエンドもあるのでは? とか、戦闘など複数の選択の組み合わせがあるシーンでは、1つ1つの選択の結果だけでなくシーン自体の結末にも注目してみるとか、考えるためのパーツが色々と用意されているのが面白く。

そして、この想定→観察→実践サイクルがピタっと填まったときの快感はなかなかのものですが、これも選択と結果の因果関係が合理的で、かつしっかりと正解へのサインをテキストに忍ばせているからこそだと思います。

強いて言えば、最初に選べるアイテムのうち、地図以外の効果がちょっと作中でわかりにくかったかなあとも思いましたが。後になって作品ページのヒントを見ましたが、太刀は予想通りの効能でしたが作中で効果を実感するのが難しく(隠しパラメータとしてHPがありそうですが、流石に把握できませんでした)。お菓子に至っては、作中で「巫女さんの機嫌をとるのにも使えそうだ」って書かれていたのを真に受けてたのに完全にフェイクじゃねーか!(笑) や、白蓮さんのことだから機嫌で戦力が上がるのは正しいのかもしれませんけども(笑)。

それはさておき。もちろん一発で正解に辿り着けるとは限りませんが、1周自体は短くスキップも高速なため試行錯誤も苦にならず。逆に、既読スキップで何周も高速で回してるときにスキップがふと止まると、「ついに来たか!」という感動があります。思わず「これはいい分岐だ……」と呟いてしまいました。

そんな感じで9個までは順調に埋まっていったのですが、最後の1個が大変でした。想定、観察により目星はついていたのですが、実践が思うように行かず。もしかしたら根本的に方向性間違ってるのかなーとも迷いましたが、他に全く思いつかないので半ば意地で、試す範囲をやや広げてみたらついにクリア。

というわけで、なかなか充足感のあるプレイを楽しませていただきました。いやー、分岐ゲーって本っ当にいいものですねえ。

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