PSPゲーム感想メモ 「那由多の軌跡」

ノーマルで1周クリアしました。軌跡シリーズのファンとして、思うことを垂れ流し。

軌跡シリーズとは何だったのか

最初の発表時に「世界観を一新する」とは聞いていたものの、そうは言っても「軌跡」の名がつくのだし、全く別世界というのは想定外でした。これまで僅かに名前だけ出てきた(って碧だと結構言及あったか)北方地方?とか、衛星のようにも見えるメインビジュアルが公開されたときは古代ゼムリア文明時代の話?……とか思ってたら、全く関係ないという。

この辺、事前にそれなりに情報は出ていたのだとは思いますが、私の場合は「軌跡」とタイトルに入った時点で購入確定済み、かつ購入確定のゲームの情報は公式サイトも含め一切シャットダウンするため、知りませんでした。中途半端に単位(ミラ、アージュ)が一緒だったりするから惑わされましたが、三章くらいでようやく「あ、これ流石に関係ないか」と思い至ったり。

この作品自体は十分面白いのだけど、軌跡シリーズとして出す意味はあるんだろうか……と思っていたところで、ちょうどファルコム公式Twitterで気になるツイートがあったので、クリア後に読もうとメモしておきました。

というわけで、しゃちょーインタビューを読んでみたり。

既存の軌跡シリーズでできないことを、というのは凄くわかるのだけど、それならばこそ「軌跡」のタイトルは使わず、「軌跡でもイースでもないファルコムの完全新作RPG」という打ち出し方もあったんじゃないかなあと。何だかんだで、マーケティングの都合だよなあとは思ってしまいました。しゃちょーの「軌跡」というタイトルに対する想いもわかるのですが(自ら立ち上げられたタイトルですし)、「ファルコム」というブランド全体のことを考えると、「シリーズものばっかり出してる」というイメージを払拭するチャンスだったのになあとも。

ジャンルが違うのは全然よいのですが、やっぱりどちらかというと世界観ですね。これまで「軌跡シリーズ」と言えばゼムリア大陸を舞台した物語と言えたのが、正直めんどくさいことに。まあ逆に、RPGのシリーズ物で世界観が継続している方が珍しいというえば珍しいのですが、流石に5作そうしてきたのでそういうもんだと思ってたら変わってしまったので少々戸惑っているというか。

先のインタビューでも、社内でどう呼び分けてるのか?とか「そうそう、それを聞いて欲しかった」的な質問がありましたが、「(単体の)タイトルで呼んでるので特に混乱は無い」というふわっとした回答で拍子抜け。今はそうでも長く続けていくと面倒なことにならんかなと。

まあ過ぎてしまったことをあれこれ言っても仕方ないので、これまで「軌跡シリーズ」と呼称していたものを統括する呼称として「セプトテリオン・サーガ」を提唱します。いやこれ、ちょっと前から勝手に呼んでるだけなんですが(笑)、今出てる設定をきっりち回収するなら全10作くらいは余裕で出そうだなとか思い、「大河RPG」的なイメージで呼んでいます。

新ジャンル「ストーリーARPG」とは何だったのか

公式サイトにもほぼ同じことが書いてありますが、画像でコピペできないのでこちらを引用。

えっと……それイースと何が違うんでしょうか。

わざわざこんな新ジャンルだ何だと言うのだから、同社タイトルを含む、既存の「物語性がしっかりとしたアクションRPG」とは一線を画した「何か」を期待していましたが、とくにどうということはありませんでした。いや普通に面白いですよ?面白いですけど、新ジャンルと言われて無駄に期待していた分、拍子抜け感が強い。

なんで自社の過去タイトルまで否定するようなジャンル名(というかキャッチコピー)つけたんだろ……。何かしら「新機軸」とか言わないとというプレッシャーによるマーケティングの暴走としか思えないです。

そんでもって実際ストーリーはどうだったのか

少年の冒険が、やがて世界全体の危機に繋がっていく……というJRPG的王道展開ですが、悪くはないです。話のスケールは大きく、それなりに盛り上がるところもありました。インタビューにもありましたが、一作で完全に一つの世界観を構築し、そして使い切っているので、読後感は余韻を残しつつもすっきりとしており、そこは好印象です。

気になるのは2点。まず、感情の揺さぶり方が「喪失」と「自己犠牲」に偏りすぎていること。そうキャラクターが多くもない話で何度もやられちゃうと、最終的にはマンネリ感を感じてしまいました。

もう1つ、一部キャラクターの存在感が薄くて、感情移入が追い付かない。具体的にはクレハですが。えーっと、若干ネタバレに踏み込まないと話せないのでご注意。ひとまず改段落します。

登場自体は早いですがずーっと寝てて、起きて主人公の村で暮らし始めた……と思ったら、わりとすぐ離れてしまいます。その後、自らの使命と村で過ごした思い出の間で心が引き裂かれる的な立場になるわけですが、プレイヤー視点だと「いやそこまで思い入れもつほど村に居なかったじゃん」みたいな感じ。もう少し何とかならなかったのかなぁとか。ぶっちゃけ、もう少し早く起きてたほうがよかったかなあ。寝てる間にしたって、これがノベルゲーとかアニメとかなら、定期的にクレハさんの寝姿を見せてナユタ君にモノローグでも何か言わせて、少しずつでも感情移入を促せたかもしれませんが。一応寝てるところ調べると若干リアクションもあったはずですが、一言二言ですし、あと3Dモデルもあんまり可愛くないしなあ(苦笑)。

そういう意味で存在感が大きかったのは、やはりノイかな。何しろ冒険の間ずっとナユタと一緒ですからね。ラストの方の「ナユタと一緒に冒険して楽しかった」的な台詞は、説得力をもって心に響きます。半分冗談で「メインヒロインはノイですよねこれ!?」とか言ってたけど、割と普通にそうだったという。終盤の展開は完全にノイがいいところ持っていったしなあ。

パートボイスだからキャラが喋る場面はそんなに多くはないのだけど、ノイの声はステージプレイ中にも応援とか、魔法発動のかけ声とかで聴けて、これがまた可愛いんです。仕草もかわいい。妖精さん(みたいなもの)なのでいつもふわふわ浮いてて、嬉しいときにくるっと回ったり左右に揺れるように踊ったり。

最終的には、ノイがあんまりにも可愛いので、それで全部許せる感じでした(笑)。

アクションゲーとしてはどうだったのか

結構色々なアクションが用意されているけど、少しずつ、本当に少しずつ解放されていくあたりは流石ファルコムらしいバランスの良さ。自然に使いこなせるようになって、爽快感のあるアクションを楽しめるのがいい感じです。次の展開に進むまでのステージ数も多すぎず少なすぎずで、個人的にはボリュームはちょうどよかったかな。

アクションで一番好きなのはギアドライブかな。ちょうど若干飽きが来たところで現れる、ほぼ無敵の高速移動。敵を蹴散らしながらバリバリ進んでいくのが楽し。ぶっちゃけソニックっぽい(笑)。

ボス(神像)戦は、上記のインタビューでは新要素としてかなり推していましたが、まあ最近だとこの手の「でかいボスの倒し方をパズル的に見つけていく」のもそれほど珍しくないかも?普通に楽しめましたが。

ただ、もう1周プレイするかというと微妙。ステージのギミックや神像の倒し方は発見の楽しみがあるけど、逆に一度やってしまえば次からは作業めいているし、ボリューム的にはお腹いっぱい。ストーリーももう一度全部読もうと思うほどではなく。2周目限定のステージやクエストもあるようですが、少なくとも今現在は、まあ十分プレイし尽くしたかなという気持ちです。いつかHDリマスターとか出るならそのとき考えよう、くらい。何しろ移動中にアクションゲームとかプレイできない人なので、家の24型モニターに接続してプレイしていたため、グラフィック的にはサターンやPSのゲームやってる気分だったので……。

あと一部、3Dゲーならではの事象として、遠近感が掴みにくく、うまくいったと思ったのに落ちる、みたいのがありましたが、これはもう3Dゲー全般で起こることなのでそういうものかなと思っています。

あと実績システムには色々と思う所もあるけど、零の軌跡の感想で書いたこととかぶるので割愛。個人的にはシルフェイド作品のように、プレイ中には見えなくて(意識させず)、プレイ後に評価として出るのがいいと思うのだけど、あれは1プレイが短いからできるのか。全部取得とか目指すんじゃなくて、「自分のプレイは開発者の想定と比べてこうだったのか」と知って次のゲームに行く、というくらいが個人的にはいいです。

余談ですがBGMは「ロストヘブン」「Creha」「星の記憶」あたりがノスタルジックだったり、切なかったりでストライク。ステージだと「未知なる世界へ」「眩しき陽光」あたりが冒険心をかき立てます。「雪に閉ざされし霊峰」「大陸の神殿」はいかにもファルコムARPGっぽく、メロディアスに勇ましい。「星都レクセンドリア」みたいに、別の曲のアレンジ違いだけど最初はそれと気付かせない感じとかも好きです。

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