同人ゲーム感想メモ:シェアハウスラブコメ「6LDK!」

6LDK!

DLsite新着で見かけてジャケ買いというか雰囲気買いしたノベルゲーム(初出は2年前のコミケらしい)が結構面白かったので軽く感想など。若干ネタバレがありますのでご注意ください(あんまりネタバレがどうって系の話でもないですが)。

クリエイターの卵?を集めたシェアハウスが舞台のラブコメにして吉祥寺ご当地ゲー。アーティストを支援するという国の企画で、企画審査に合格した男女6名が吉祥寺のシェアハウス「けやき荘」に集められるのですが……明確にアーティストあるいはその志望者と言えるのは2人くらい、あとはふわっとした夢レベルだったり、そもそもやることまだ定まってない人が2人も居たり、どうなっちゃうんだコレって感じでした。

プロローグのあとシナリオ選択で3シナリオ、住人6人のうち2人ずつピックアップされるのですが、そういうわけなのでガチ創作ものというよりは、スタートラインに立つまでの話が中心かな。いってみれば「俺達の戦いはこれからだ」エンドなんですけど、前向きな若者達が純粋に微笑ましく。もしかしたら、むしろこういう連中の背中を押すためのプロジェクトで、敢えて「中ぶらりん」な人達が集められたのかな、とも思ったり。

(クリア後のおまけシナリオの話をしちゃいますが)時系列としては全シナリオ終了後のエピソードとなるおまけシナリオで、かつての「けやき荘」では同様に(国のプロジェクトではなく自然発生的なものとして)創作志望者が共同生活していたことが明かされ、その中の一人がここに居た証と、その想いの一端が感じ取れるのですが……。この人がこの企画の黒幕で、やっぱり最後のシーンのアレはこの人なのかなー、とか妄想していました。自分達の後に続いて欲しい的な。

プレイ時間は各個別シナリオが30分強+オマケが10分くらいで計2時間くらい。プロット的にはそれぞれ2時間くらいに膨らますこともできそうな話が30分程度に収まっているので、テンポ良く読めました。もうちょっとこの連中のドタバタ見てたかったな、という若干の寂しさもありましたが、そのくらいが余韻としては丁度良いのかもしれません。

ラブコメ的にもそんな感じで夢に向かっていく過程で応援しあったりぶつかり合ったりしているうちに……という流れでトントン拍子といえばそうなのですが、心情の描き方が丁寧なので急ぎすぎだったりご都合すぎる感はありませんでした。大波乱大恋愛とかって感じではなく、6人の中から相性のよい2人ずつが自然と寄り添ったみたいな雰囲気。いい意味で普通っぽい。

というか、ラブコメというよりホームコメディ寄りの雰囲気かな? 個別シナリオでも中心となる2人以外も適度に絡んできて、ほどほどに共同生活感が出ていたのがいい感じでしたが、おまけシナリオの「みんなで一緒に1つのことをやろう!」というムードが特に良かったですね。それにしても周囲より年上の五郎さん、言うても立ち絵見る限りはせいぜいアラサー……?と思ってたけど晴海時代のコミケに参加経験あるってほんと何歳なんだ……。あと、彼らが作ることになった同人誌のタイトルがニヤリとするやら感慨深いやら、作品の締めにふさわしいものでした。

プロローグおよび1つ目のシナリオの語り手、流浪の詩人五郎さん。渋い
プロローグおよび1つ目のシナリオの語り手、流浪の詩人五郎さん。渋い
「6LDK!」二羽香菜子
2つ目のシナリオが一番クリエイターものっぽかったかな?といってもやはり「始めるまで」の話ですが。何でもそつなくこなすけどこれと打ち込めるものがない二羽香菜子さん(通称ニワカ)がやりたいこと探しをする話。会話のテンポもいい感じ
ちょっとネタバレ度高いけど3つ目のシナリオの終盤付近シーン。このあとのスチルの表情変化にはっとさせられ、さらにその後のオチに爆苦笑しました。一番普通にラブコメしてる話かな?
ちょっとネタバレ度高いけど3つ目のシナリオの終盤付近シーン。このあとのスチルの表情変化にはっとさせられ、さらにその後のオチに爆苦笑しました。一番普通に恋愛ものしてる話かな?

ところでググって見つけた作者さんのブログ記事やTwitterで体験版あるよ!というのをアピールされてたんですが、少なくともうちの環境からは見えない……まあ安いし試しに買っちゃうか!と買って結果オーライでしたけど。

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