こんなときですけど、無事の報告も兼ねて。といっても多分、多くて10人ほどと見積もっている本日記の読者の方々はTwitterも見ていただいている気もしますが。顔の見えるブログがモットーです。執筆者に読者の顔が見えるという意味ですが(笑)。
当日、私自身は市ヶ谷(東京)の会社から松戸(千葉)の自宅まで22kmほど歩いて帰ってきましたが、翌日筋肉痛が酷かったくらいで人も家も無事でした。国道6号に沿って夜中まで歩きましたが、同様に徒歩帰宅の覚悟を決めた人達がたくさん居て、行列が常に途切れることもなく心強かったです。もちろん無理は禁物ですが、途中で諦めても所々に帰宅困難者向けの学校開放などもあり、有り難く思いました。週末はなるべくデスクトップPCのほうは起動せず、ThinkPadで情報収集しながら、ノートでもプレイできるエフェクト軽めのノベルゲーをプレイしてました。
さておき。
- 日曜日の八百屋 3/7/十三妹(しーさんめい) ※18禁作品
ジャンルは“日常異能ADVバトルゲーム”(公式より)。全7話構想の3話まで。妙に牧歌的なタイトルとジャンルのミスマッチとか、サークル公式トップ絵(上記バナーと同様)の「空を歩く女子高生」という不条理めなビジュアルにキュンと来て、発表当時から気になっていたのですが、C78で頒布された2/7版はゲットしそびれました。……というのを今回サークルさんに伝えたら「でも前回売れ残ったんですけど……」と言われちゃったので、どうやら前回は見逃していた模様。さておき、2/7版には3/7版に入っていないサブシナリオもあるとのことなので、両方確保しました。ちなみに空を歩いているビジュアルはあくまでイメージ的なもので、実際の作品内容にはあんまり関係なかったです(笑)。
ジャンル名に「異能」と「バトル」が入っている通り、大雑把に言えばいわゆるアクション伝奇的なノベルゲーですが、ポイントは「日常」。祓い屋とか陰陽師とか妖怪とか土地神様とか出てきますけど、主人公はあくまでちょっと霊感強いかも?くらいの女子高生……じゃなかった浪人生。物語は田舎から予備校通いのために上京してきた彼女が、東京の物価高を愚痴るという非常に生活感あふれるシーンから始まります。浪人生なのに高校時代のセーラー服を着てるのも、お洒落に回すお金を節約するため。住んでいるのは家賃格安のボロアパート。
そんな彼女がさまざまな怪異と遭遇して事件に巻き込まれたり、お人好しゆえに徐々に自ら関わっていくようになっていったり……というお話ですが、1話完結の連作っぽい構成になっていて、1話はだいたい2時間くらい。各話ともに前半は事件の予兆を孕みつつも、予備校で出来た友達やタイトルにもなっている八百屋(スーパーより安くて新鮮!)の人々との交流などが賑やかに描かれます。この八百屋やボロアパートがいい感じに下町情緒を醸し出していたり。
事件の内容も、「今のところは」軽くもないですがそれほど深刻なものではなく。解決後にはちょっとしたオチもついたりして、TV番組に例えるなら1時間もののご近所コメディのような趣です。……ただし、今回収録分のラストでいよいよ大きく何かが動き出しそうな予感もありましたが。また本作、「この決断が、その後起こる怒濤の日々においてもっとも英断だった」(適当要約)みたいに回顧的な言い回しが時折ありまして、まあ一種のお約束と言えばそうなのですが、一方でひとつひとつの事件が、大きな流れのなかで起きているという実感も感じさせてくれました。
キャラクターも魅力的ですが、個人的にはとくに主人公の悠子さんが大変ストライクな感じで。少ない仕送りでやりくりしている苦学生で目上の人への礼儀を欠かさず、といっても堅物というわけではなく融通が利いたり女の子っぽい所もあったりして。変に尖ったキャラ付けではなく「お人好しでちょっと流行に疎い」くらいの良い意味での普通さを感じました。一方、怪異との関わりのなかで見えてくる決断力というか思い切りの良さも素敵。
悠子さんはビジュアル面も個人的にツボでして、立ち絵のデフォルト姿勢で、右手をすっと伸ばして左手を軽く握っているのが、凛とした佇まいでありつつも固すぎず。あと表情差分が結構多い印象(3話でさらに増えた?)で崩し顔もあり、表面的な可愛らしさよりも豊富な表情によるキャラ造形の深さを感じました。顔芸というほどじゃないけど、全然可愛くないというか女を捨てた感じの驚き顔が可愛くてしょうがないです。自分でも何言ってるのかわかりませんが。というか単純にポニテ好きという点も否定はしませんが。
そんな感じで、「下町情緒あふれるご近所コメディ」的なノリで読んでいたのですっかり忘れかけていたのですが……これ、18禁なんですよね。正直なところ1話の中盤越えてもそういった方向に行きそうな雰囲気はなく、「そういったシーンがあるとしてもシリーズ後半なのかな?」とか思っていたのですが……そう来たか!という感じでエロシーンが入ってきました。一昔前のオカルト系青年漫画でありそうな強引な展開、嫌いじゃないです(笑)。
ただし、シーン自体はそっち重視の作品に比べるとあっさりしています。とはいえ個人的には、だからといって無くてもいいというものではなく。行為そのものより、事態を打開する方法が他になかったとはいえなし崩しに関係を結んでしまったことを悩んだり、でも相手のことを憎からず思っていることに気付きかけて否定したり……と少女漫画的なノリの悠子さんがいじらしいのです。相手も、エロくて節操なしですが一線は守るし、何より女の子のことを大切にしてるという点だけは確実に信用できる奴なので、ある意味好感がもてます。
システム的には(少なくとも今のところは)選択肢なしの一本道、ADVタイプのノベルゲーですが、本編を進めると別途メニュー画面から、サブシナリオを選んで読めるようになります。本編で日常成分が足りないってわけではないのですが、流れ上組み込みにくいちょっとしたエピソードやサブキャラ中心の話、本編と若干テイストが違う話など、バラエティに富んでいて面白いです。
なお、1点気になったのは、OPムービーにはキャストの記載があったものの、実際の本編には声がついていなかったこと。今後完成版に向けてつけられる予定なのかな……などと思っていたのですが、読み終わったあとサークルさんのブログを読んでいたら、ボイスを収録した話があったので、あれ?と思ったり。どうやら3/7版には未収録ということのようで、確かに2/7版なら同じシーンで声が出る……。なのでC79で2/7版と3/7版を一緒に買った人は、2話までは2/7版で読んで3話を3/7版で読むのがよいと思います……ってもう3月だし。今更書いても手遅れだし。多分買った人で私が一番読むの遅いし。さておき私自身は、どうせ完成したらまた1から読むと思いますので、声を楽しむのはそのときに取っておくことにします。
そうそう、ブログと言えばもう1点。悠子さんが制服(セーラー服)なのは、倹約家設定ももちろんあるのだろうけど、現行の商業作品と同等の自主規制に準拠しつつ制服エッチが描きたかったんじゃなかろうか、という邪な推測をしてしまったのですが……ブログによるとビンゴのようでちょっと吹きました。
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